Title: ENUMテストベッド Author: 藤原和典(fujiwara@jprs.co.jp) Date: 2004/8/20 1. 概要 ENUM WGでは、e164.wide.ad.jpドメインに、ENUMライクDNSを運用している。 WIDEメンバであれば、WIDE証明書認証により、ENUMライクDNSへのNAPTRリソー スレコード登録が可能である。 また、ENUMアプリケーションのイメージをつかめるような Web CGIによる ENUMアプリケーションを作成した。さらに、ENUM検索に対応したSIPサーバを 運用している。 2. 使用する電話番号(番号規則) ENUM WGでの議論の結果、電話番号のようなものとして、8桁以上の番号を用 いることが決まった。WIDE番号をもとに、一人当たり 5 つの番号を割り当て た。また、それ以外の番号についても登録することを可能とした。 3. ENUM登録システム https://www.e164.wide.ad.jp/ WIDEメンバ証明書を用いて番号管理を行なう登録システムを作成した。番号 規則に基づく番号と、任意の番号に対して、NAPTR RR、NS delegationを登録 することができる。 メンバ証明書からWIDE番号を得て、それをもとに認証を行なっている。 2003年中には24人の利用があった。 3.1 トップページ トップページには登録可能番号へのリンクがあり、以下のように表示される。 You can edit 番号1 番号2 番号3 番号4 番号5 また、トップページから新しいE.164番号を追加することができる。 New E.164 number be careful!!! [入力ボックス] [enter] 入力ボックスに 81352972571 のようなE.164番号を入力することで、新しい 番号を追加することができる。信用モデルを採用しているため、10桁以上の番 号であればどんな番号でも登録することが可能である。追加するとすぐに反映 される。 次に、登録可能番号を選ぶとリソースレコード編集画面に入る。 3.2 リソースレコード編集画面 この画面の入力項目は、入力・編集後、[enter]を押すことで反映される。 新規・追加の場合は空のエントリに記入して[enter]を押す。 複数行追加する場合は、毎回 [enter] を押して確定する。 削除の場合は [delete] 項目をチェックして[enter]を押す。 前項で追加した番号であれば、[ ]delete this numberをチェックして [enter]を押すことで削除できる。 また、ここで登録した内容のうち、NS RRとNAPTR RRのどちらを使用するか を選ぶ。 NAPTR RRの項目は、それぞれ deleteチェックボックス、order、preference、 ENUMservice、URI/regexp情報で、orderとpreferenceには符合なし整数を、 ENUMserviceには E2U+ を除いた ENUM serviceパラメータを、URI/regexp情 報には、URIまたは、!で始まるNAPTR RRのregexpフィールドを入力する。 たとえば、order, preferenceには 0 を、ENUMserviceにはemail:mailtoを、 URIには mailto:fujiwara@jprs.co.jp のようなmail URIを入力する。 NS resource recordの入力項目には、ネームサーバのホスト名を入力する。 入力が完了すると、Zone file generationリンクをクリックすることでzone ファイルを生成してreloadを行なう。また、View zonefileにより、ゾーン ファイルを見ることができる。 NS RRを使ってデレゲーションした場合、正しくネームサーバを動かし、 LAME Delegationにならないようにすること。 4. 簡易ENUMクライアント 携帯電話は、電話、電子メール、ブラウザの機能を持つ。そこで、web CGI により、Enumクライアント風のものを試作し、将来のENUM端末を想像できる ようなものを作成した。ENUM serviceとしては、voice:tel, email:mailto, web:httpのみ評価する。 voice:telの場合、tel:+81352972571のようなURIを tel:0352972571 に変換 してリンクをはることで、携帯電話から日本の電話番号へ発信できる。 httpやmailtoの場合はそのままリンクをつけた結果を返す。そのリンクをク リックすることでWeb pageを閲覧したり、emailを送る画面に移動できる。 5. ENUM対応SIPサーバ ENUM-WGでは、ソフトフロントSIPサーバをベースとしたENUM対応SIPサーバ のテストを行なった。詳細は別途報告する。 Windows Messenger 5.0 と Yamaha RT 55i/56v/57i、CISCO SIP Phone から 接続できることを確認した。 6. クライアントの設定について YAMAHA RTでのSIP設定と、Windows Messengerでの設定について示す。 6.1 YAMAHA RT56v/57i Web interface: 電話設定中のVoIPの設定 - VoIPの基本設定 = VoIP機能 使用する = TELポート 電話ユーザ名、着信指定 = プリフィックス IP電話サーバ - IP電話サーバの設定→登録 = sipアドレス: sip:username@domainname (SIP URI) = サーバアドレス: SIPサーバのホスト名 = ユーザID: SIPサーバに指定したユーザ名 = パスワード: SIPサーバに指定したパスワード = 発信時のプリフィックス コマンドライン sip use on sip server 1 sip-server.hostname register udp \ (一行で) sip:username@domainname <パスワード> analog extension dial prefix sip 1 相手にENUMでSIP通話するときは、電話器から電話番号をいれて電話をする ことで発信する。指定したプリフィックスをつけること。 6.2 Microsoft Windows Messenger 5.0 - Windows Messenger 4.6, 4.7では接続できない - .NETパスポートは不要 - オプション→アカウント→SIPコミュニケーションサービスアカウント画面 = 「SIPコミュニケーションサービスユーザを含める」にチェック = サインイン名としてSIP URIを入力 (sip:なし) = 詳細設定画面へ ・手動設定 ・SIPサーバを指定 ・接続に使用しているプロトコルとしてUDPを指定 - トップ画面にて、SIP URIをオンラインに指定する = ユーザ名、パスワードを入力 ENUMによるSIP通話を開始するときは、音声チャットの開始を選び、その他を指定 し、次に相手のENUM番号を入力する。番号だけでよい。 7. Privacyについて ENUMに登録した内容は DNS で公開される。 電話番号体系とドメイン名がわかると、scan可能である。 123456789 という番号を使っていることと、e164.wide.ad.jpというドメイ ン名がわかれば、誰でも9.8.7.6.5.4.3.2.1.e164.wide.ad.jpを引くことが できる。 逆に、通話したい相手にはこれらの情報を教えることになる。 そのため、登録する内容は公開されるという前提で登録する必要がある。 8. システム構成 PC[www.e164.wide.ad.jp] PC[www.e164.wide.ad.jp] ENUM DNS(e164.wide.ad.jp) ENUM DNS検索 ENUM対応SIPサーバ ENUM登録システム CGIクライアント | 登録ユーザインターフェース[web cgi] | | | | | | インターネット | | --+------------------------------------+--------+----------+---- | | | | | | | YAMAHA RT WindowsMessenger webブラウザ 電話機 ヘッドセット Copyright Notice Copyright (C) WIDE Project (2004). All Rights Reserved.