Title: 2004年春合宿でのENUM/SIPデモンストレーション報告 Author(s): 藤原和典(fujiwara@jprs.co.jp) 米谷嘉朗(yone@jprs.co.jp) 石田慶樹(yoshiki@mex.ad.jp) Date: 1/13/2005 Copyright Notice Copyright (C) WIDE Project (2005). All Rights Reserved. ENUM-WGでは、2003年9月WIDE合宿でのENUM/SIPデモンストレーションに引き 続き、2004年春合宿での公開実験として、SIP/VoIP/ENUMの理解・普及促進 を目的に、ENUM/SIP、インターネット電話についてのデモンストレーション を行なった。 1. ENUM/SIPデモンストレーション ENUMライクDNSサーバと登録システムは2003年度報告書で説明したものを用いた。 ENUM対応SIPサーバとして、フリーソフトウェアのSIP Express Routerを使 い、東京NOCに設置したマシンで動かした。また、WIDEメンバであればだれ でも使えるように設定した。 合宿ネットワークには、SIP端末だけを置く。ENUMライクDNSサーバ・登録シ ステム・SIPサーバは、合宿ネットの外のインターネットに存在する。 SIP電話機として、無線LAN使用の携帯型SIP電話機である日立電線WIP-5000 と、YAMAHA RT57iと電話機を組み合わせたものを用意し、ロビー周辺の二カ 所にわけて設置した。また、ノートPC でのソフトフォンの使い方を書いた 資料を用意した。また、Sharp Zaurusでのソフトフォンの利用実験を行った。 [公開設置場所1] 電話機1--------RT57i(RT1)---+----------→ インターネット | [公開設置場所2] | 電話機2--------RT57i(RT2)---+ 〜〜〜ENUMライクDNS | (ENUMテストベッド) | |camp-net 〜〜〜SIPサーバ [移動SIP電話機] | WIP-5000---(無線LAN)--------+ | | [各自のPC] | PC1(XP)---(無線LAN)------+ ヘッドセット | | Zaurus----(無線LAN)------+ RT1, RT2, WIP-5000, PC1にはそれぞれSIP URIを与えてあり、SIPサーバに REGISTERしておいた。また、それぞれの機器のSIP URIをENUMライクDNSに登 録し、番号で呼び出せるようにした。 この環境で、電話機1,2とWIP-5000、適切に設定を行ったWindowsXPのあいだ で相互に番号で呼び出せる環境を提供した。 VoIP/SIP/ENUMの理解促進を目的とするため、SIPクライアントを、用意した ENUMを理解するSIPサーバに接続し、ENUMデータベースの変更により、電話 のかかる先を変更できるようにした。また、多くの人に実験してもらうため、 わかりやすい資料を作成した。 2. インターネット電話のデモンストレーション フュージョンの050インターネット電話サービスを通じ、一般電話への通話 デモンストレーションを行なった。以下のように、camp-netからフュージョ ンのSIPサーバに接続した。 電話機1-----RT57i(RT1)---+----インターネット----フュージョンVoIPゲートウェイ |camp-net 〜公衆網 WIP-5000-----------------+ 3. 実験の結果と評価 今回のデモンストレーションでのべ38の通話があった。 SIP/VoIP電話でも普通の電話と遜色ないことが理解されたはずである。 衛星回線をまわると、遅延が1秒以上となり、通話に違和感を感じることが わかった。 また、実験案内の結果、合宿期間中にENUM DNSに新規に2名の登録があった。 4. 得られた知見 実験準備において、SIP接続に関して片通話が起きたり、SIPサーバへの Registerが困難な場合が発生したため、SIP/ENUM相互接続試験は重要である ことがわかった。 また、多くの人に興味を持ってもらうためには、各人が各人の機材で参加で きるようにしないと関心を持ってもらえないことがわかった。 5. 今後の取り組み 将来的には、WIDE内で、WIDE番号を用いたENUMによるSIP・ソフトフォン環 境を作ろうと考えている。 SIP・ENUMの普及に関しては、相互接続性に関して、片通話・SIPサーバとの 連係・番号通知などについての問題があり、解決が必要である。 各人のPC・PDAなどで簡単に通話できる環境と、わかりやすい利用マニュア ルの作成が必要である。