Title: 京都 NOC から奈良 NOC への IRC サーバの移設 Author(s): 鈴木未央(mio-su@is.naist.jp) Date: 9/3/2004 1. IRC サーバの移設 IRC ワーキンググループでは 2003 年 4 月末から 5 月初めにかけて,京都 NOC に設置・運用されていた irc.kyoto.wide.ad.jp, irc6.kyoto.wide.ad.jp (以下ではこれらのサーバをまとめて移設元サーバと表記する) の機能を奈良 NOC に設置された新サーバである irc.nara.wide.ad.jp, irc6.nara.wide.ad.jp (以下ではこれらのサーバをまとめて移設先サーバと表記 する) へ移設する作業を行った.次章より,移設が 行われた理由,移設先サーバのハードウェア構成,ネットワーク構成,移設作業 手順,今後の課題について述べる. 2. 移設が行われた理由 移設作業が行われた理由は,2003 年度初頭に行われた京都 NOC の撤収の ためである.この撤収に伴い,京都 NOC に設置されていた DNS サーバ,メール サーバなどと共に IRC サーバの移設が行われることとなった. 移設先に奈良 NOC が選択された理由は次の二点のためである.一点目は 奈良 NOC のオペレータの中に IRC ワーキンググループのメンバが多いため, 二点 目は奈良先端大で研究されている IP トレースバックを検証するための環境と して,たびたび分散サービス妨害攻撃が行われている IRC サーバが利用できる と考えられたためである. 3. ハードウェア構成 移設先サーバのホスト名はそれぞれ である. 移設先サーバのハードウェア, ネットワーク構成は次に述べる通りである.irc.nara.wide.ad.jp は PentiumIII 1.4GHz 2 基,1GB のメモリ,80GB のハードディスク 2 基を搭載 した 1U ラックマウントサーバである.irc6.nara.wide.ad.jp は Pentium III 850MHz,512MB のメモリ,30GB のハードディスク 2 基を搭載した 1U ラック マウントサーバである.両サーバ共に OS として FreeBSD 4.8-RELEASE を用い ている. 4. ネットワーク構成 移設先サーバは 100Mbps Ethernet により奈良 NOC のネットワークに接続され ている.また,移設先サーバは奈良 NOC のネットワークにて割り当てられた IP アドレスとは別に,IRC サービス専用に割り当てられた IP アドレスを用い て IRC サービスを行っている.これは移設元サーバと同様の構成である. この IP アドレスへの経路の伝搬手順は次の通りである.irc.nara.wide.ad.jp への経路は 奈良 NOC のバックボーンルータにホストルートを設定し,バック ボーンルータから OSPF に広報を行っている.irc6.nara.wide.ad.jp への経路 はホスト自身が RIPng により広報を行っている. 5. 移設作業手順 移設作業は次に示す通りに行った. (1) 移設準備 移設先サーバを奈良 NOC に設置し,IP アドレスの割り当て,サーバへ の経路の設定,DNS サーバへの登録などの基本的な設定を行った.その 後,移設元サーバの IRC に関する設定を元に移設先サーバの IRC に関 する設定を行った. (2) 移設元サーバから移設先サーバへのユーザ移行 DNS サーバにおいて,移設元サーバに関する A レコードを削除し,移 設先サーバへのエイリアスに変更した.このことにより移設元サーバを 利用しているユーザは IRC クライアントの設定を変更することなく, 各々が利用する DNS サーバに存在する移設元サーバに関する A レコー ドのキャッシュの有効期限が切れた後は移設先サーバを利用することと なった. (3) 移設後処理 移設元サーバを利用しているユーザの大部分が移設先サーバへ移行した ことを確認し,移設先サーバを停止させた. 6. 今後の予定 今後の課題として,ユーザとの通信に関するトラフィックとサーバ間リンクや 運用のためのトラフィックを分離する予定である.この分離は既に irc.tokyo.wide.ad.jp において行われている.具体的な手法としては,移設 先サーバは物理的なネットワークインタフェイスを 2 つ持っているため,そ れぞれに別の IP アドレスを割り当て,経路広報に関する設定を変更すること により,一つをユーザとの通信に,もう一つをサーバ間リンクと運用のために 利用できる. Copyright Notice Copyright (C) WIDE Project (2004). All Rights Reserved.