MTA 性能比較

[Japanese]/[English]

評価した実装

1. 機能比較

DNSへの問い合わせおよびSMTP処理をどの程度並列処理するように 実装されているかをMTAごとに調査した。
詳細は各MTAの機能比較を参照のこと。

2. 性能比較

評価方法

各方面にて募集した nobody@domain という原則として /dev/null に捨てられる アドレス 341個からなるメーリングリスト(ML)を作成し、 この ML へのメールの配信処理が開始されてから完了するまでに 流れたネットワークトラフィックを tcpdump を用いて収集する。 tcpdump によって得られたデータを元に、時間に対する DNS 問い合わせ および応答パケットの数、ならびに、SMTP のコネクションの数の推移を グラフ化する。 ちなみに、集まったアドレスは、原則として異なる MX を向いているもの である。ちなみに、送ったメールの本文はこのようなものである。

送ったメールの本文

この評価結果を見る上で注意すべきこと

純粋な実験室環境を構築して比較するのは大変なので、 実際のインターネット環境において比較した。 また、複数のMTAの実装に対する測定を同時に行うことも 資材的に難しいので、各MTAに対する測定を順次行うことにした。 従って、それぞれのMTAに対する測定において、 全く同じ状況を再現するのは困難であり、 得られた結果の細部に注目して比較的な議論することは危険である。 おおよその雰囲気を読み取って頂ければ幸いである。 また、並列度の設定は50に統一しようとしていたが、 一部、設定漏れのため、zmailer が 199 になっていたり、 SMTPfeed がデフォルトの 255 になっていたりするので、 改めて測定しなおす予定である。

グラフの見方

評価1

ネームサーバのキャッシュをクリアしてから配信処理を開始した場合
(測定日時: 1999/3/22 12:05〜13:39)

実装ごとの結果

全結果の重ね合わせ

評価2

ネームサーバのキャッシュを保ったまま配信処理を開始した場合。
sendmail, smail は並列処理をしないため、遅いのが分りきっているので省略。
(測定日時: 1999/3/26 00:08〜00:30)

実装ごとの結果

全結果の重ね合わせ

評価3 (評価2と同じことをもう一度)

(測定日時: 1999/3/27 02:10〜02:32)

実装ごとの結果

全結果の重ね合わせ

評価環境

FreeBSD-2.2.8-RELEASE
AMD K6/300Mhz
64MB Main memory
2GB HDD IDE
DEC 21140A FastEthernet NIC

考察

今後の課題

謝辞

測定にあたって、nobody@domain のアドレスを提供して頂いた方々に感謝致します。 なお、アドレスは継続して募集中ですのでよろしくお願いします。

1999/4/5
motonori@wide.ad.jp